あの日あの時 ~Snow College編 3~ [あの日あの時]
午後3時過ぎに、寅の乗ったバスはダウンタウンを出発した
気になったのが、さっき待合中にいた日本人達が数人に増えていた事だ
見るからに英語が出来ませんって感じのアメリカ初めてと言うのが
空気を通して分かり過ぎる
バスは一路、I-15(15号線)を南下し街並みはすぐに大自然を感じさせてくれた
ロッキー山脈の麓にある、この街は見渡す限りの山々と砂漠
辺りは夕暮れ時に差し掛かると思ってウトウトしていて、気が付いたら真っ暗!
バスの中にはエンジン音が心地よく鳴り響いていた
会話する物もなく、ただ不安げに夜の街を眺めていた
時刻は夜の9時半を過ぎた頃、バスの運転手は叫んだ
<Next stop is Snow College !>と、、、、
寅も含めた、その他大勢の乗客達も、そこで降りるみたいだった
<この人達、、、皆、同じ大学に行くんだ>と悟った
田舎町の夜は、とっても暗く夜の10時が都会の深夜2時位に感じた
そして夜空に輝く星が、とっても綺麗で今にも落ちて来そうな位だった
バスを降りるとアメリカ人の女性の方達が数名<Snow College?>と叫んでいた
そう、スノーカレッジへ行くのか?と大声で聞いていた
バスの残された乗客達は、殆ど、この場所で降りた
その場所は <Ephram> イーフラム と発音するらしい
一人だけ黒人の方で闇夜に目と歯だけ白く光る方がいた
マイクロバスに乗り込むと大学の寮まで案内された
さっきのアメリカ人の女性達は、大学のスタッフ達だった
しかも後から分かった事だが、地元の出身で大学の4年生
夏休みにはバケーションを取らず、残された足りない単位を取る為にいたらしい
寅達を深夜に迎えに来たのは、バイトのこずかい稼ぎだった
そんな事も知らない寅達は、ひとまず大学の空いている寮に入れられた
周りには当然、空いている店の明かりはひとつもない
どうやら午後8時には街の明かりが消えてしまうらしい
大学の寮は男子寮と女子寮に別れており、ひとつの部屋にまた3つ部屋があった
その部屋は通常2人で使う相部屋だったが、寅は一人で入れられた
残りの方は、もう一つの部屋を19歳のY君と先程の目と歯だけ白い黒人の方で
相部屋になった
とりあえず簡単なあいさつだけ済ませると、寅はスヤスヤと深い眠りに入ってしまった
Snow college は差別は酷い 学費に対して嘘のような五倍跳ね上がって 考えらない………完全な田舎です
by ら (2015-01-10 20:21)