あの日あの時 ~SC28 SCの思い出 編~ [あの日あの時]
SNOW COLLEDEに来てから早4ケ月の間が経過した
日本が梅雨のシーズンに突入した頃、アメリカは初夏が訪れていた
そして、あんなに熱かった夏が嘘の様に秋風が冷たく感じられた
この4ケ月間、本当に色々な事を経験した
日本にいたら4ケ月なんて<アッ>と言う間に過ぎ去ってしまう時間が
アメリカでは時間がゆっくり過ぎるので自分を見つめ直す事が出来た
特に週末などは車のない人にとっては目の前にある膨大な時間を処理する事が
どれだけ苦痛だったであろうか?
娯楽施設は殆どないこの街は、それとは対照的に自然だけは無尽蔵にあった
この自然の遊びを、どう取り入れるかで思い出の結果が違ってくる
考えてみると娯楽施設なんて、所詮、人間の作ったもの
大自然の前には人間なんて、本当にちっぽけでありながらも
予測不能な展開は、娯楽施設の域を遥かに超える
やはり人間は太陽の光とマイナスイオンに包まれて生きていく事こそが自然なんだなと
ここSNOW COLEGEでの暮らしで大いに学んだ事であった
梅雨のない快適さ
太陽の恵み
ロッキー山脈から濾過されて流れて来た、美味しい水
森林から生み出される、美味しい空気
田舎街特有の人の良さ
時間と言う大きな川の流れに身を委ねられる事
良く考えてみると、都会の娯楽施設より
寅は遥かに贅沢なひとときを経験したのかも知れない
そして寅はこの短い期間に数々の<伝説>を作り上げた
★メンタイ市に一人で自転車で行った事
★自分の力だけでホストファミリーを見つけ出した事
★現役アメフトの選手を叩きのめした事
★誰よりも最初にアメリカ人の彼女を作った事
★留学生の中で日本の伝統食<寿司>を作った事
★<空手>を教えられた唯一の人として
★初めて発足された日本語クラスの上級レベルの教員として採用された事
寅がこの4ケ月で作り上げた<実績>は、当時のスノーカレッジにいた人間達が
口ぐちにこう言った
<彼は生きる伝説だ>
今までココまでの生徒はいなかった様で、
背中で生き様を語れる男として皆の良い見本になっていた様だった
振り返ってみると、寂しさからか
日本人同士のカップルが異常に増えていた
寅はもちろん日本人女性からモテた方だが、
アメリカまで来て日本人と付き合う事なんて露ほども思っていなかった
しかし日本人を含め多くの友達との方達との人間関係を築きあげて来られた
今を生きる事に必死だった寅だったが、この4ケ月を振り返ってみると
本当に実りの多い時を過ごせた事に気付いた
しかし、いつまでも思い出に浸ってばかりはいられない
寅は新天地Provo(プロボ)の街を目指してSnow Collegeを後にした
新しい船出は、これまた前途多難な事が待ち受けていたとは露知らずに、、、、
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